板前修行が馬鹿らしい
ブログをやってる意味ってのは、人によって色々でしょうけども、結局のところ「自分がやってて楽しいか」になるんでしょうな。
楽しくなくなりゃいつでもやめる。
このくらいの気持ちでいたほうが良い様な気がします。
義務に縛られない自由ってのは、逆にモチベーションの低下を招いたりしてしまうものでして、意志を保つにはそれなりの消耗を強いられますね。際限のない自由なんて、この世に存在しないってわけでしょう。
毎日沢山の魚をおろし続け、それが何十年。
正直、たまにうんざりして来ます。
丹精こめて料理こしらえてみても、そいつは暫らくしたらぐちゃぐちゃになって洗い場に戻って来る。跡形もなく消えちまってる。
「おいらがやってる仕事は何なんだろう」
そう考えちまう日もあります。
世の中が大きな機械だとしたら、その中の小さな歯車。
おいら達の仕事ってのは部品の一部でしかないわけです。
けどね、
そいつを否定してみたところで、どうなるんです?
生まれて育ったこの場所から出て行く場所は何処にもねぇ。
あるとしたら黄泉の国だけ。
今は若い板前があまり育ちません。
きつい修行が馬鹿らしくなるんでしょうな。
すぐにやめちまいます。
どんな技術でも、一番大事なのは継続だってのがどうしても理解できないみたいですね。そいつがなきゃ本当の仕事は身に付きません。
辞める理由の第一が「もっと自由が欲しい」です。
自由って意味をはき違えてますね。
自由をコントロールするにゃ「強い意志」が要るんです。
少しの辛抱も出来ねえ「弱い意志」じゃ、自由なんてつかめるわけがありませんよ。
やるも自由、やめるも自由、
その自由を自分のものに出来るかどうかは、強靭なシンが一本通ってなきゃ駄目って事じゃないかな。
自由の本当の意味を子供達に教育して欲しいですね。
>おいら達の仕事ってのは部品の一部でしかないわけです
いえいえ、料理人の方たちのおかげで、「うまい!!」っていう笑顔がいくつも生まれるわけです。
これはある意味、「部品」なんかじゃなく、「魔法」ですよ★
>きつい修行が馬鹿らしくなるんでしょうな
これは私も同感ですね。
苦しい修行があってこそ、その仕事の面白さもわかってくるし、「上手なサボり方(?)」も覚えることができる。お客の要望も理解できるし、自分の個性も主張できるようになる。
仕事もスポーツも。遊びだって、基礎が大事なのに…。と思います。
Posted by 大佐 at 2007年01月19日 21:32
こんばんは(^_^)
むこうのブログにも書いたんですが、
ヨメさんの具合、気になります。
『栄養と睡眠』
こいつが基本です。
早く良くなる事を願ってます。
自己責任と社会的責任
この二つが無い自由ってのは野放図になります。
単なるワガママとも言えますね。
それをきちんと押さえた人間が増えることを祈りたい。
Posted by 魚山人 at 2007年01月19日 22:28
おっしゃるとおりです。。
きちんと親である世代が次に教えて、見せていかなければならないことですよね。
>丹精こめて料理こしらえてみても、そいつは暫らくしたらぐちゃぐちゃになって洗い場に戻って来る。跡形もなく消えちまってる。
これって嬉しいことじゃないですか^^
ただ単に食べるだけなら、家でもできる。
わざわざ職人さんのもとへ食べに出かけるというのは
家で食べるのとは違う「そのほかのもの」を求めているわけです。
跡形のなくなった料理。。。
おいしかった、美しかった、心遣いに満足した。その表れだと思います。
評価がすぐに現れる・・・嬉しくもあり、怖くもあり。。なのかな?
Posted by incident at 2007年01月20日 00:53
こんばんは。
その通りかもしれませんね。
どうもありがとうございました。
Posted by 魚山人 at 2007年01月20日 19:23
こんばんは。
読ませていただきました。
本当に、、これからの日本、
どうなってしまうのでしょうか…
とても心配でなりません…
Posted by koko at 2007年01月20日 21:58
コメント有難う御座います。
ご心配なさるのも無理ありませんが、これが社会です。
ですから防衛しなきゃなりません。
自分を守るのは、自分の知恵ですね。
誤った考えに振り回されない事です。
Posted by 魚山人 at 2007年01月21日 16:04
はじめまして。拝見するたびわくわくしながら読んでいます。実は愚息が居酒屋開業を目指して、いよいよ独立の準備にかかっております。小生は今まで、酔っ払い客の立場でしか観てなかったのが、内側のお話はとても新鮮で、魚山人さんの心意気には感服しております。いつか機会があれば愚息と一緒にお店にお邪魔したいと夢見ております。
Posted by matt at 2007年01月22日 20:09
はじめまして。拝見するたびわくわくしながら読んでいます。実は愚息が居酒屋開業を目指して、いよいよ独立の準備にかかっております。小生は今まで、酔っ払い客の立場でしか観てなかったのが、内側のお話はとても新鮮で、魚山人さんの心意気には感服しております。いつか機会があれば愚息と一緒にお店にお邪魔したいと夢見ております。
Posted by matt at 2007年01月22日 20:09
ほっとする記事でした。
結局 長く続けることとか
地道さとか ひたむきさとか
良い意味で愚直さというか 大切だなって思って。
魚山人さんも、自分がやってることって何?って思いたくなるような事があるんですね。でも、やっていく。
なんか、その話良かったです。
一見成果もなく、表面にでないけど、水面下では
確実に成長していくもの そしてトンネルが完成したとき
ぱっと表面に華が開く。ってのも、脳の回路ができあがる仕組みから
そういう事も言えるみたいです。あるひ突然出来るようになるみたいな。
継続は 一つの才能ですかね。
Posted by サクライ at 2007年01月23日 10:29
継続ってのは人間の基本で宿命だと思います。
人間は飛行機でも自動車でもねぇから、足で歩くしかない。それはそんなモンが発明される遙か以前から何も変わってないんです。
いきなり「出来る人」になったりしないし、
一カ月やそこらで肉体改造をするのも無理。
それを短期間で痩せるダイエットだの、すぐに稼げる様になるだのって、そんな誘惑に簡単にのっかるのは何ですかね。
人間は機械じゃないんです。
一歩一歩地道に歩いて行く以外に、道など無いんですよ。
Posted by 魚山人 at 2007年01月25日 06:22
こんにちは!
私のモットーは「自由気ままに生きる」事です。
誰の指図も受けず、自分で何でもやりたいようにやってきました。
でも、それには、人に従う以上の苦労がありました。
辞めたいとか、辛いって思ったことはないです。
一回だけの人生、心底打ち込めるものに出会えたなんて幸運です。
どうせなら、一生をバクチに賭けてやってみるのも楽しいです。
ひたむきに、まっすぐに、まっしぐらに・・・
説明になってないですが、私の「自由」はそうやって貫いてきました。
「自由」と、「休憩」は間違えられやすいですからね!
お気に入りに追加してくださって、ありがとうございます。
もちろん、リンクも自由デス(笑)
Posted by 蝶々 at 2007年03月05日 15:21
こんちは蝶さん。
最近こんな事思うんですよ、
世の中絶対に公平なんかじゃ無い。
でも、人には解らない大きな掟みたいなものが存在してるんじゃないかな。
その掟っていうのは、
「どんな物事でも必ず代償を払わなきゃならない」ってこと。
自由もそのひとつだと思うんですよ。
Posted by 魚山人 at 2007年03月05日 17:19