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旅と母

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母親と大自然 マザー・ネイチャー

板前という職業に絡んだ料理関係のビジネス旅行にしろ、個人的なプライベート旅行にしろ、旅には魅力を感じます。根が放浪者なのでしょうね。

旅の副産物は、東京にばかり居てはバランス感覚を失うというのがある気がしますので、正気を保っていられるってことがあるんじゃないでしょうか。

色々な意味にて変わっておりまからね、東京ってのは。
まあ早い話息が詰まるってことになりましょうか。

(通常「東京」と言う場合、神奈川・千葉・埼玉あたりを含めた表現になっていますかね。これは交通網の高度化で、江戸が首都圏に変容してるからでしょう。都内に通勤できる範囲内をも含んだ東京です。しかし都内には明らかに「違う空気」と言えるものが存在し、その空気はある種の「棘」のようなモンです)

大自然の静寂に包まれて、石隗のように佇んでいるのも捨て難く、その孤独感は人とのつながりを渇仰しつつもそれを悟らぬ現代人特有の焦燥な孤独とは無縁のもので、泰として宇を感ず。寂寞の間に泰山府君を想えば自ずと泰然自若の意味を悟らん。

その反面で、背の籠に野菜を背負い、あるいは頭に荷を乗せて道行く農家の人々の、自然との摩擦だけが生み出し得る「皺深い笑顔」。そして喧騒な市場もいい。

いつ頃の昔だか、日本にもそのような光景があったもので、それは何故か祖母や母親の記憶とダブってみたりします。都会育ちの二人はそんな日常ではなかったはずで、どうも妙な感じですが、男が「女の親」に感ずる普遍的な感情なのかも知れません。

男ってのはね、自分も親も歳をとってくると、母や祖母に「罪の意識」というか、「痛みみたいなもの」を感じます。自分の人生の大半を苦労で過ごし、小さな体にあらゆる重い荷物を背負いながら育ててくれた感謝と、それをろくに報いる事のできない自分の不甲斐無さ。

「あれだけの犠牲を払って育ててもらってながら、この俺か」

そのねじれた感情があるので、素直に親孝行ができる人間は稀なものです。

母親は家事に仕事に忙しすぎて浮ついた世情にどうしても疎くなるので、それを「無知」だとか、「田舎臭い」だとか、「恥ずかしい」などと怒ったりする。

しかしそう言いながら、「本当に恥ずかしいのは自分のほうだ」って事は心の何処かで知っている。だから「痛い」のです。もっともこれはもう「昔話」かも知れませんなぁ。

昨今の世情をみておりますと、年寄りも若者も孤独化が加速しつつある様子です。上に書いたような子が親に感じた「痛み」などというのも過去の話になってしまうんでしょうねぇ。「痛み」どころか親が死ぬまでスネを齧らぬと生きて行けないってのは異常な世の中です。

どちらにしても今の世代を責めてみても、過去の世代を責めてみても意味は無い。それぞれの時代・世代の中で懸命に生きてるだけですからね。短い生涯を生活に追われているだけのことで、誰にも責任など問えはしません。

責任があるとすればそれは「人間のはかなさ」にあるといえましょう。
ありし日の日本の光景が消えると伴に、人間達の姿も変容して行くのでしょう。

テロリストそのまんまのツラをした連中が極悪な人相とは裏腹に妙に可愛らしい品物を一生懸命に売ってたりする。どうせ理解できまいと日本語で、

「爆弾とか鉄砲でも売ってた方がお似合いだぜあんちゃん」
「人を殺してるでしょ~ヨ、そのツラはどうしたってよ、え?」

などと危険で失礼極まりない冗談を言ってみたりするが、
裏では本当に武器を売ってたりして(笑)
それか日本語を知ってたりして(^^;)

商品を買ってくれると思ったらしく、破顔一笑。
少女が売るのがお似合いな、苺に似たものを手に取りアピールする。
その笑顔がなかなか良い。

見た感じ農薬の艶を感じなかったので買ってみたりする。
「チップやるからテロはすんなよ」

言葉はまったく通じないが、何か面白い冗談を言ってるのは分かるのでしょう。それにおいらは話をする時は必ず相手の顔を見て目でも話しますんで。

悪人ズラは消え、腹の無い実に良い笑顔を返してくれました。
どうやら屋台の周囲で騒いでた可愛い子供たちの父親らしい。

子供の頭を撫でてやり、「お前の親父はとても素晴らしい」と片言の現地語で言ってみますと、太陽のような笑顔と、「当たり前さ」と言いたげな強い眼光を返してくれました。

おいらはどうも母に孫をプレゼントすることができないようです。
しかしまあ人は十人十色。人によって価値観も違えば当然幸福を感ずる対象もそれぞれ。一概に決め付けることはできません。そう思うしかないでしょう。他の方法で孝行をするしかありません。

暑い夏に風鈴の音を耳に、縁側で西瓜を食べながら行儀悪く西瓜の種を庭の彼方へと吹き飛ばして遊びつつ、ふと座敷を振り返れば白い割烹着をつけた母が裁縫をしていて、子供ながら縫い物をする母が美しく感じたものです。

できるものならば、母をあの時代に帰してやりたい

旅する地が遠ければ遠い程、逆に母を身近に感じる。
これはいったい何でしょうかねぇ。

マザー・ネイチャーという言葉がありますが、大自然と母親はどこか似ているのかも知れません。

もうお互いに、白髪を抜いてあげるという年齢ではありませんけども、旅先の地で湧出してくるのは、まさに「母の白髪を抜いてあげたい」という気持なのです。

>「あれだけの犠牲を払って育ててもらってながら、この俺か」

この御言葉が心に突き刺さりました。
それでも,砂をつかんで立ち上がりたいと思う次第であります。

Posted by 愛読者 at 2010年04月08日 00:51


カミサンの ぉ共って海外かよ
…( -“-)


お疲れ様ですゎ。

今ね『鯖味噌』ツツキながらコメしてんの(笑)
季節外れな鯖なんすが~
今日カミサンから電話が来てね『鯖の旬ていつ?』←なんて聞くもんで 俺ゎ『終わりだよ今ゎ』って答えたら『鯖が安く売られてんだけど ヤッパ駄目?』なんてこと言うもんで 俺ゎ『何すんの?』と聞けば『鯖味噌』との答え。

鯖味噌にすんなら今の鯖でOKよ!…と俺。

脂ッケのネェ鯖のが鯖味噌にしたら美味い。
脂ノリノリの鯖味噌なんてのゎ喰えたもんジャネェ。


旅と母
俺自身 旅なんてのゎ数えるほどしか したことネェから 爺の気持ちニャ到底追い付けネェんだが なんとなく理解ゎするんだよ。

割烹着を着てたのゎ婆ちゃんで オフクロゎジーンズ。
そのジーンズ姿で授業参観に来られんのが強烈に嫌だったっけ(笑)

首都圏ゎ地方からしてみりゃ異常だよ。

横のCommunityゎ盛んなんだろが 縦の人間関係ゎ故障発生だね。

それに巻かれて地方もネット中毒…


爺も婆ちゃん子だったよね? オフクロサン苦労したろなぁ…

俺ゎかけがいのネェ親父を 早くに亡くしたオフクロに 次なる幸せを早く見つけてもらいテェ気持ちが最近逸る。

微妙なんだがね…


しっかし…この喰い終わった鯖の骨。 熱湯かけて飲みたいんだけど ガスレンジも流し台も 洗い物の山( -“-)…

風呂入って寝るゎ。

オヤスミ夜

Posted by 鯔次郎† at 2010年04月08日 02:05


お疲れ様です<m(__)m>

更新が無いので 花見の仕出しで忙しいと思ったら
海外視察ですか!?(←海外逃亡とも言う?)

いやぁ・・・魚山人さんの記事には いつも 背筋が
ピ~ンとなる思いです

>あれだけの犠牲を払って育ててもらってながら、この俺か

この思いが出てくるのは いつ頃からでしょうかね・・・
若い頃は 心の隅に有りながら それよりも
一人前になるのが精一杯で 思っていても何も出来なかった
この思いが出てくるのは 40・50才頃からでしょうかね?

このくらいの年になると 自分にできる事 自分がやった事
そして 出来た事 ・・・ 段々 分る年になると
末は大臣か学者かと思って 仕送りしてもらった母に
申し訳が 立たない ・・・

申し訳ない心を隠しながら 毎週 母を日帰り温泉に
連れて行ってます
せめてもの 親孝行ならぬ 罪滅ぼしです

人間なんて その年にならなければ分らない
愚かな生き物なんでしょうな ・・・
そして それを 繰り返しながら 世代が受け継がれていく

これ以上書くと 自分の不甲斐なさを書かなくては いけません
ボロが出る前に 筆を置きます

良い記事を 読ませて頂きました 
ありがとうございました

Posted by トミー at 2010年04月08日 02:41


愛読者さん
鯔次郎さん
トミーさん
いつもコメントを有難う存じます。

好き勝手な記事ばかり書いておりますけども、
自分は人生を順風満帆に生きてきたわけでは御座いません。
紆余曲折もすれば、失敗して苦渋を舐める事多し。

しかし世の中の大半の方は同じであると思います。
であればこそ、こんなブログを読みに来て下さる人がいるのであろうと理解しております。

母への感謝はあれど、満足な孝行はなかなか出来ない。
その事情は世界中の人間に共通でありましょう。

でもね、万が一トントン拍子に幸運が続き、大富豪やスターになったとして、だから母親も幸せって事になるんでしょうか。
最近の母は当然それが自分の幸せにもなると信じ込んでいるようですから無理に良い学校に行かせようとしたり、あわよくばスターにしようと芸能予備軍などにしてる人が多いらしい。

これは不幸な「勘違い」です。
人間はね、親がいくら必死にやっても、『なるモンにしかなりません』

スターになる人間は親が何かをしなくてもスターになるし、
富豪になる奴は放っておいても大金持ちになるのです。

それに急激に階段を駆け上がれば人間は変わります。誰とは言いませんが、世を知らぬ年齢でスターになり大金を持つと、まず歪んでしまいまして、それこそ親に向かって札束を放る人間になり果てる可能性が高い。


自分も子を持つ年齢ともなれば悟らなきゃいけません。
おのれの力のみで飯を食えるようになり、よい配偶者を得て家庭を築く。そして子孫を残してくれる。子供にこれ以上何を求めましょうか。これこそが子を産んだ母親の幸せに他なりません。

だとしても子供としては母に対して感謝の気持を忘れずに、何もできないまでも「何かをしてあげる」という心を決して失くしてはいけません。
それが人間たる生き物の生得なのですから。
人であることの証なのです。

Posted by 魚山人 at 2010年04月09日 06:17


『なるモンにしかなりません』
痛い言葉です。自分が生きてきた人生は一体何だったのでしょうか?
最近は・・・すみません、文句ではありません。自分の人生に意味を見出す、いや見出さざるを得ない人間と言う生き方に、疑問を持ちますね。いっそのこと自意識などなければ良かったのに(笑)
鳩や烏がうらやましいです。

Posted by 藤井茂男 at 2010年04月09日 18:39


藤井さん。

生きてる事の意味を考えたら生きられません。
たまには考える必要もあるが、それに捉われちゃいけない。
ただ歩くのみです、死ぬまでね。

Posted by 魚山人 at 2010年04月10日 06:00


昨年の大晦日に母が亡くなりました。
亡くなる1年程前から同居始めたたのですが、亡くなる3ヶ月前に体調が悪いようなので病院に連れて行くと手遅れのガンでした。

それまで30年以上一緒に住んでいなかったので母が何が好物なのかも判っていなかったのですが、最後の1年間程同居して、何かと美味しいものをと作って、喜んでもらいました。

ただ、それで・・何か、子供の頃から育ててもらった恩を返したとかも思えませんし・・ただ、最後まで食いしんぼだったので、少しは喜んでもらえたのかとしか・・、最後の1年間でした。
(このブログでレシピを参考にさせて頂き、大変にありがとうございました。)

Posted by osamu at 2010年04月11日 00:30


osamuさん。

お母さんは幸せだったと思いますよ。
あなたも最後に孝行できて本当に良かった。

親の死に目にも会えない。
田舎を捨て都会で暮らすしかない日本人の大半がそうなのですから。
せいぜい危篤状態になって慌てて帰郷するくらいのものです。

あなたが作った食事は、お母さんにとって最高の味だったのは間違いありません。

Posted by 魚山人 at 2010年04月11日 07:20


お疲れさまです 

かあちゃんごめんよ ガキのころは苦労ばかりかけたね… これが素直な気持ちですね。。

人生も折り返しを過ぎますと物質的な孝行より精神的、いわば心の孝行がしたいと痛く思います まだ還暦には数年あるお袋の小さな体と少しの白髪… 昔は朝から夕方まで仕出しの店 夜中から朝までまた仕出しの店 毎日自転車で通っていました。信州の山奥から来たお袋 優しさだけしかないような人 時々みせる厳しさは人一倍堪えたもんでした…
自分が所帯もってからでしょうかね 安心した顔をよく見れるようになりましたね 

心の孝行… なにが出来るんだろうか 気遣う言葉?もっと大切に?いや記事にあります母をあのころに戻してあげたい 白髪を抜いてあげたい 素敵ですよ 親孝行というより母への愛ですね

母親っていくつになっても息子は息子 時々お節介みたいにしてくれることがありますが昔なら 遠慮してたでしょう しかし今はなるべく頂くようにしています 

こんな時代に苦しさもある 理不尽ばかりが目立って やりきれない 愚痴もこぼしたくなる けどお袋や親父の前では決して、なにかをないがしろにする言葉や態度は出すまいと腹に決めてるんですよ 不安にさせたくないんですね これは女房子供にも思うことです

おんぶに抱っこは生まれてから散々してくれました 

不安な気持ちは感じてほしくない そう思っています

ここ最近は包丁を持っていないので なんか淋しいなぁ(笑) 初めは骨やすみになるなぁなんて感じていましたが  長い…長すぎる(笑) 点滴漬けの毎日です やめてくれとお願いもしましたし、痛み止めもいらない 食事もリクエストしたいと駄々をこねましたが無理でしたね(笑)

あやうく放り出されそうになりました(^-^)
しかし甘いもんが多いい……

Posted by たいら at 2010年04月12日 11:25


こんにちは。

たいらさんなら十分に親孝行なさってることでしょう。
早く体を癒して復帰されることを願っておりますよ。

Posted by 魚山人 at 2010年04月12日 14:23

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