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【大根の煮物】地味な煮物に宿るもの

七草粥の代わりに大根の煮物

人日(七草の節句/1月7日朝)に食べる七種粥。

※春の七草  括弧内は古名
せり(芹)・ぺんぺん草(なづな)・ははこぐさ(御行)・はこべ(はくべら)・かぶ(すずな)・だいこん(すずしろ)・こおにたびらこ(仏座)

起源は大変古く、今ではその正確な意味も分からなくなっております七草粥の習慣。もともと蔬菜7種を羮(あつもの)にして食べるものですが、1月7日の七草粥に落ち着いています。邪気を払い万病を除くといった呪術的なものが起こりなのだと思いますけども、正月疲れした胃腸を清める作用もありましょう。

その七草の中から一種、日本人の根幹とも言える野菜、これさえあれば和食が和食足りえるという単純にして深さ極まりなき品を取り上げます。

地味を滋味にと願う

今日は感謝の気持ちを込めて記事を書いております。
料理食材ってHPを含めて、この板前サイトをご利用下されている方々の「無言の気持ち」がとても嬉しいんですよ、おいらは。

何も御返し出来ませんけども、せめておいらの「まかない」でも食べて行ってください。もちろんお代金は頂きません(笑)

おいらから「気持ち」のお返しです。

これを作ってみました、どうぞお召し上がり下さい。

中は七草粥の入った小鍋ではありません。

蔬にして安っぽい野菜がたった一個入っているだけです。

七草のひとつ、蘿蔔(すずしろ)です。
つまり「大根」でして、それを煮たもの。
いわゆる「ブリ大根」ですが、目的は大根のみ

これは日本料理の範疇にも入れて貰えないヤボな料理。
『風炉吹き』の様に品があるわけでもありません。
貧相な品ですが、おいらにとっては「極」な料理です。

ブリのアラから出るエキス以外に、おいら独自のオリジナルエキスを加えて天然の甘さを引き出す工夫をしてあります。柔らか過ぎず、固過ぎず、箸でスパッと切れながらも大根の辛味も残す為に鍋の前に張り付いて加減をみました。気持ちを入れて仕上げております。

どうぞ一箸なりとお召し上がり下さい。

大根の煮物

体が温まりましたか?
それならば心にも灯がともったはずです。
世の中の風がどんなに冷たかろうと、心さえ温もっていれば大丈夫なんですよ。常に心を立てていますならば必ず幸せが寄って参ります。皆様がこの一年を「暖心醜溶」で乗り切ってくださいますよう祈っております。

元気でいきましょうや

どうも初めまして、僕は海外のホテルでコックをしているものです。魚山人さんのブログをいつも拝見させていただいています。海外に来てかれこれ約10年、途中日本に帰ったりもしましたが今ではこちらに移住しています。いつも魚山人さんのメールをみるたび、日本で大変お世話になった親方のことを思い出します。僕もお酒が好きでこの業界その日のうちに家に帰ることができずブログを見るのはいつも2時3時という時間帯です。酒を飲みながら魚山人さんの話に共感したり、料理のブログについては勉強になったりといつも活用させてもらっています。
しばらくの間ブログを休まれるみたいですね、1つ忘れないで頂きたいのが海外の一料理人でさえこのブログをとても楽しみにしているということです。お国が違えば日本のように叱ってくださる親方はそうそうはいません。しかし、このブログを見るたびに毎日ぼろかすに言われ続けた親方と何か同じ安堵感にひたります。叱られた後、必ず誰かしらが言ってくださった言葉、”さっきお前に言った親方の言葉はちゃんと愛情があってのことばだからな、そこはちゃんと理解しろよと。”こんなありがたい言葉は他にはありません。”お前はコックになんか向いてないんじゃないか?と何度いわれたか。
僕がその職場を去るとき親方が飲みに連れて行ってくださいました。
いつまでも腐らずこの仕事をやっていきたいです。
時間の許す限り、しばらくゆっくりなさってください。
マッツー

Posted by マッツー at 2010年01月06日 00:05


マッツーさん。

週明けから月中旬の渡航にむけて、準備に追われる事になります。
かなり多くの国に寄りますので、もしかしたらマッツーさんが働くホテルのバーで、バーボンを飲んでたりするかもしれません(笑)
人相の悪い日本人がいたらばソイツがおいらです(^^)


海外で10年。
言葉に尽くせぬ苦労もしたことでしょう。
もう一人前のコックですよ。

あなたを叱ってくれるのは今はあなた自身しかいません。
一人前とはそういう事なのです。

自分はすでに立派なコックであると誇りを持つ。
それと同時に己を叱り飛ばすのを忘れない。
そうしながらシェフへの道を歩んで下さい。

Posted by 魚山人 at 2010年01月06日 00:51


初めまして。
いつも拝見さしていただいています。

思えば私が料理に興味を持つようになったきっかけは、
ある先輩の作った「ぶり大根」でした。(これも何かのご縁でしょうか?)
手間を惜しまず、時間をかけて作ったその料理は私に「食」という新しい楽しみを教えてくれまして、
最近はとあるラーメン屋でアルバイトをはじめ、日々勉強しています。

飲食などほとんど経験もなかったのですが、この数ヶ月というもの魚山人さんのブログにはずいぶんと励ましていただきました。

こちらのサイトには料理のこともたくさん勉強さしていただきましたし、これからも目標ににさしていただきます。

少々自分語りになってしまいましたが、どうかお体にはお気をつけて。

Posted by たっくん at 2010年01月06日 02:35


こんにちは、たっくんさん。

おたよりありがとうございます。
料理がお好きな様ですな(^_^)
ラーメンについてもよく研究してる。

ラーメン屋は色々と勉強になる事が多いので
バイト中は「目をサラに」して頑張って下さい。

「ぶり大根」にはおいらも色々と思い出があるんですよ(^^

ちなみに書いておきますとね、
記事の最初の画像に木製の器が出てます
これはね
「この料理はブリ大根ではありません」
そういう意味なんです。

木の地肌器に生臭い料理は盛らないからですよ。
これは野菜の煮物であり、温かさを保つ蒸気を閉じ込める目的でこの器を使っているのです。


それでは、バイトにブログに頑張ってくださいね

Posted by 魚山人 at 2010年01月06日 11:49

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