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【肴】ヒレ酒とブリ皮炙り

板前魚山人のマカナイ飯

酒の肴

下の二場面をイメージなさって下さい。

舌の奥が焼け焦げる様な灼熱の砂漠で出会う冷たい清水。
反対に凍傷寸前の手足が切れる様な、凍てつく雪山で出会う温泉。

これが美食の奥義で極意です

人間が極限の美味を感じるに、これ以上のシーンは無いでしょう。

ニコチンでべたついた舌や、合成調味で味蕾のマヒした舌を持つ大人よりも、敏感な赤ん坊の舌こそがグルメを語るべき資格を有するって事です。

大仰に出ましたが、実はたいしたことじゃありません。

日本酒を飲むのは真冬くらい、しかも何故か12月が特に旨く感じます。
その酒をいかに美味く飲もうかって話ですわ。

まずこれ。
寒ブリの皮。板前はこういうクズを酒肴にしなけりゃいけません。
捨てる様なモンを一品にするのが板前ってもんです。

秘密の漬け地につけます

これを荒く作った氷杯に、こうして置きまして

(普通はもっと丁寧に作りますが、お客用ではなく自分用ですのでこれで充分。むき出しコンクリートの質感があり、荒っぽくて逆に好みです)

氷鉢の作り方

コイツを炙り、

香ばしく焦げたところに、純米大吟醸を

その隣には、炙った皮を取出し熱燗を注いだヒレ酒様の熱々

肴でありながら酒、文字通りの「酒肴」って訳です。

熱燗で舌が絡んだら、氷酒で絡んだ舌を洗う。
酒は色々な飲み方がありますね。

※このやりかたで実はブリ皮よりも数段美味い皮があります。
それが鮭皮。至福の酒肴でしょうな。


鮭茶漬けの作り方

ヒレ酒と酒の肴

板前って職業柄と言うんじゃないのかも知れませんが、少しヨソに出かけますと猛烈に和食が食べたくなります。

正確には和食というより「漁港の香りがする食べ物」なんですが、まあどちらでも同じこって。

日本に送られてくるもんとは芳醇さが明らかに違う地のワインを片手に、秋が迫る北の森から届く「ジビエ」の料理も、それはそれで最高に美味いとは思いますが、やはり「イカ」だの「クサヤ」だの魚くせぇものをつまみながらポン酒をチビチビってのがたまらなく恋しくなります。

発酵乳の複雑な香り(チーズ)があの方達の郷愁ならば、おいら達日本人の郷愁は魚が日と風で干上がった独特の魚香なんですなぁ。


くさや

帰ると板前達はそうした類の食いモンを黙って作ってくれます。まるで欠食児童の様に和食に餓えきってはおりますけども、ツラが切迫した魚に似たご面相だからってんじゃありません(笑)

オヤジに配慮してくれる優しい気持ちからです。

優しい板前って言えばこのブログの読者に酒肴の事を「アテ」って表現しますと怒りだす変な鮨職人さんがおります。

神奈川にお住まいらしき妙な魚みたいな名前のヒト(笑)。ハマで寿司を握っているらしい。
からかいたくなりはしますが、こういう「こだわり」を持っている板前をおいらは嫌いじゃありません。

まだ少し早いが、
量的にちょうど良く、チビチビやりやすいヒレ酒。

ヒレ酒

とにかくまずはイカです。
イカの香りと食感はどうしてこうも日本人にピタリと来るんですかなぁ。

柔らかい身もいいが

ゲソとか

エンペラ(耳)

サンマと同じく真イワシも美味い時期です。

これも骨やら尻尾が肴には良い。
パリパリのせんべいなら食べやすい。

イワシ刺身の作り方

脂切りには油。
なので野菜のチップス。

ハス(れんこん)

ゴーヤ

魚ではなくソバの時もある。
これも酒の肴。

デザートは温製にしておきましょう。
温めた体を最後まで冷やしたくないですんで。
茶碗蒸しです。

滑らかさと和風出汁がなんともいえませんです。

今回は時差ぼけがかなり強く、体調がすぐれませんけども、こういった「好きなモンを無秩序に食べる」とね、疲れがスーと取れていく気がいたします。

コメントを受けてもう少し追加(笑)

痩せウナギのむしり食い

少しうるせぇ事を申しますと、
酒を至福に楽しむコツは「酔わない」ってことです。
ほろ酔いがベストですな。

悪酔いする程飲めばそれはもう御酒とは言えず、ただの泥水。毒水です。
酒は飲むもんであって、呑まれるモンじゃございません。

日本酒をどう選べばいいか
日本酒をどう選べばいいか

私ごときハマの変な鮨職人を本文に載せて頂き ありがとうございます。糞ジジイ。(笑)

しっかしまぁ さぞかし疲れたでしょネェ…時差ボケもそうだが中国云々も…
いつもに増して心底『お疲れ様』を伝えたいッス。
記事ゎ下ろす必要無しだぜむしろ俺 自慢してぇくらいだから!爺の記事をね
板前なんて職業ゎさ 『俺、勉強苦手だからなりました』←なんて ぶん殴りたくなる輩が多い職
勉強ゎ社会に出てから するもんなんだ。爺の前々回の記事な 是か非かなんて次元じゃなくてな 俺がどう理解したかっつーと
『こんなにも我が国を愛し尚且つ あきらめない人間が存在する事実』と理解したのよ 間違ってたらゴメン。

アテ(-_-#)…
ヒレ酒として鯒の尾鰭を干したのが数枚あります
まだ試してネェが 似てんべよ?フグに(笑)

イカ…郷愁だよね 新イカやダルマ&ヤリのワタ抱える部分を天火干しして保存してます
タテ塩に漬けてから干してますんで焼くだけ 美味!

蕎麦ゎまたコロッと酒の好みを魚とゎ変えてくれる不思議な生鮮食品

…で茶蒸し!
俺ん店ジャやってネェんだが
俺思うに…茶椀蒸しを上手にこさえる奴って かなりの強者!何故なら
下ごしらえ
ダシ
火加減
時間
玉子の扱い方
提供時間の難しさ

和食ならでゎの要素をふんだんに踏まえてんだよな

鮨職人にゃ所詮無理よ!
だって かまってる時間なんてネェもんヾ(≧∇≦*)〃

うらやましいや!
優し過ぎる若い衆!
よくもこんな糞ジジイに愛情を注ぐもんかと不思議に思うよ(笑)

旅先のワインを褒めろってな話ゎ頂きました(笑)
使わせて頂きます 遠慮なく

魚みたいな変な名前の
鯔次郎†より ツカ爺が名付け親なんですが…

オヤスミ夜

Posted by ハマの変な鮨職人† at 2009年09月09日 01:47

お疲れ様、【ボラじろう】さん。

おいらが名付け親ってのまだ憶えてたのアンタ(笑)
いやぁ~最高の名前だねぇ、【鯔】。
男としてこれ以上粋な名前はないんじゃない?(^^)/ ←

茶椀蒸しが難しいって言うけどね、温度に気をつければいいだけですよ。
そうすりゃスは入らないしツルツル滑らかな蒸しになります。
タチ店でもけっこう「出来合いの茶椀蒸し」を使うところが多いけどね、駄目よ、そんな事しちゃ。鮨職人だってやりゃ出来ます。

若い衆にはおいらも感心する時がありますっての(笑)
でも当たり前の事だと思ってますよ。
なにしろ鍛え上げていますんでね。

Posted by 魚山人 at 2009年09月09日 05:31

私の最近お気に入りの肴はウナギです。しかも都内近所の川ですぐ採れる

味は素人の捌き、串うち、焼きなんでイマイチ(笑)
さすが職人は違うわなんつって泥の香りを噛み締めてます(笑)

Posted by なお at 2009年09月09日 14:51

お疲れ様です いや~ 旨そうですねぇ  飲みに行くなら、そこに行きたい(笑)長旅さぞ楽しかった事と察します 自分は海外はまだ行ったことないので、時差ボケがどんなのか、分かりませんが お弟子さんのお気持ちがまた お疲れの身体にしみるんでしょうね(^O^)自分もイカが好きで先月はイカ塗れのアテ(鯔さん笑)ばかりでしたね  しかもスルメの生姜焼きか塩辛ばかり。。画像のヒレ酒拝見しますと、河豚や茸も近いなと、気を馳せていますよ 家に帰れば夏にかみさんが干したゴーヤがたくさんあります 頂き物の泡盛と見たこともない馬鹿デカイ ふ(携帯じゃ変換できないんですね笑)があるのでチャンフルーで今日は飲みたい(笑)    魚山人さんどうぞお身体ご慈愛してください。。 ちなみに、かみさん飯食いながら、いのちの食べ方三回くらいみてました…… かみさん初のコメを期待していましたが 育児でヘロヘロです(^O^) インフルエンザの記事はでてない?なんて新聞やニュースよりこちらの記事を一番に信用してる彼女です。。

Posted by たいら at 2009年09月09日 17:41

こんばんは、なおさん。

泥の匂いがするウナギですか。
そいつはまたなんとも楽しそうですなぁ(^_^)

こんばんは、たいらさん。

インフルですか。
アメリカだけで毎年季節性インフルエンザで亡くなる人は3万人以上になります。
しかしアメリカにはCDCって強力な組織がありますので、対策も万全。
それに比べて感染症対策が遅れていて「途上国」なのが日本です。
すべてが後手後手でして、「学校閉鎖」など意味はありません。

春に国は受診拒否を禁ずる通達を医療機関に出しましたが、考えられない話です。患者を院内感染にさらす愚行ですな。医療従事者の半数以上は予防接種していませんしね。発熱外来用に隔離した診療施設を設営すべきです。

問題は鳥インフルに比べても弱毒性で致死率の低い新型に対する過剰反応だとおいらは思います。成田の検疫騒動やマスクだらけの人波にはウンザリしましたよ。

しかし秋以降に本格的に広まればタミフルに耐性を持つ様になるかも知れませんね。耐性新型インフルエンザの登場ってわけです。もしそうなれば、非常に危険だと言うしかありません。耐性になれば致死率は上昇し、考えられない死者を出す可能性を否定できなくなるからです。

徹底すべきは以下の三点です。

咳をするときは口を押える
咳を伴う熱があれば職場や学校に行かない
重症になるまでは医療機関を受診しない

インフルエンザ水際阻止は絶対に不可能です。
流行を防ぐ方法はありません。
公衆衛生学が海外で進んでいるのは感染症が「国の力」を落とすからです。
つまり感染症対策は「国防」なんですよ。
日本にはその概念自体がまったくありません。この分野の専門家が皆無に近いのです。

自分の身は自分で守るしかないでしょうな。
日常で気をつけるべきは「睡眠不足」と「栄養不足」さらには「栄養過剰」でしょうかね。いずれも抵抗力を低下させる所業ですので。

Posted by 魚山人 at 2009年09月09日 20:44

お忙しい中、インフルエンザへのお言葉有り難うございます  さっそくかみさんと読ませていただきました。 かみさん(私と一緒だと頷いておりました)国レベルの話ですと自分はあまり分かりませんでしたが、また一つ考えることができました。自分の身は自分で守るこれはずっと家族でやっております 有り難うございました。

Posted by たいら at 2009年09月09日 23:34

お疲れ様 爺blog読者の皆様;爺m(__)m

言い訳みたいで嫌なんすが『茶椀蒸し』これ 俺ゎ絶対にやりません。なぜかっつーとね
爺の言う 出来合いの茶蒸しを作りたくネェからさ

鮨板なら漬け場に居たい。勿論 きちんと仕込みしときゃそれでイイんだろが 俺的にゃ一応コダワリがあるもんでね…面倒見れネェ仕事ゎしたくネェんだよ

ツカたいらさんにも笑われた(┰_┰)

インフルエンザな…
透析してる方や御高齢者の方々にゎ脅威だな
しかしね 我々自称健康体ゎ早いとこ感染しちまったほうがイイんぢゃね?抵抗力出来るし(笑) おそらく蔓延すんだろよ このまま行けば…
経済的にも脅威だな

手荒い
うがい
これやるしかネェべ?

空港云々 学校閉鎖云々
全く意味がネェな

爺の言う通り 適度な栄養摂取と睡眠だろう。
感染力ゎ強いが症状ゎわりと軽い この先まだまだ 未経験なウイルスなり病原菌なりが出て来るはず

でもそりゃ当たり前の話じゃん!鳥インフルも豚インフルも人間が結果的にゃこさえたウイルスなんだもんな

オヤスミ

Posted by 鯔次郎† at 2009年09月10日 01:52

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