誰かが幸せになると誰かが不幸になる
板前として生涯を終える事に悔いはありません。
鮨を握り、四季折々の会席献立に悩みながら歳月は過ぎました。
刺身を切り、包丁に熱中した時期も気がつけば過去。
本当に大事なのは料理そのものではない。
作った料理を食べる『人』なんだという事も悟りました。
glassに映る想い出
そんな頃合にネットと出合ったのはタイムリーだったのも知れません。
厖大な時間と手間が掛かるのは必須
それでもネット上で実現してみたい目標みたいなものがあります。
「食のアーカイブのようなもの」とでも言っておきましょうか。
しかしそこまで行けるかどうかは分かりませんねぇ。
なんせ、兎も角サイトは時間をくってしまいますので。
ｺﾂｺﾂ作業してますが、輪郭が表れるのはまだまだ先でしょう。
形ができるまで続けられかどうかも分かりません。
あまりの面倒さゆえに放り出す可能性もあるからですわ。
webｻｲﾄは書けば書くほど無意味さに悩む苦痛もあります。
まあ世の中はそんなもんです。
思い描いた通りスイスイと進めるものでは御座いませんな。
平坦な道を猪突猛進できるものではない。
誰しもがそうなんじゃないでしょうかね。
それが人生です。
持って生まれたものは人それぞれ。
棘の道のりをどう越えて行くのか、道を迂回するだけか。
後退してしまうのか、それとも穴に落ちてしまうか。
それも人それぞれってことです。
悔恨の数
自分は比較的『晩婚』でした。
実は「ずっと独身のままかも」って感じでしたが、捕まった。
カミさんは学研の徒で「世の中」ってものから超然としていた。
おいらにとってそれが「蜘蛛の巣」だったわけです。
むこうっ気が強かったんで走り回りました。
仕事でも突っ走り、遊びでも駆けたんで寝る暇はなし。
昭和から平成に移る頃、おいらは尖がっておりました。
情熱のままに女性を口説くのはいい。
しかし熱さと優しさだけではゴールへと辿れない。
若い時にはそんな事に気づきません。
「何かを諦めた落ち着き」
それが必要なんだと分かったのはずっと後です。
冷たい雨の中、泥の水たまりに寝転ぶ姿。
観覧車の天辺で、口説き落とした彼女の肩を抱く姿。
ﾀｺをレッドにし、ﾒｰﾀｰを振り切って風圧で顔が変形した高速道路。
仕事で指を切るかと思えば、明け方には二の腕にも大きな傷。
そして女の子の父親に土下座する自分の姿。
その姿をその時点で当の本人が客観視できる訳もない。
何処かの地方で半年、違う土地で1年。
帰京すればまたすぐに出される日々にそんな事の繰り返し。
痛みに対する想像力がなかった。
いや、なかったわけではありません。
走るスピードが速すぎて減速できなかった。
要は「思いやり」よりも「主張/我」が勝っていたのでしょう。
だから誰かを泣かせ、苦しめもする。
「バカ」ですな、はやい話。
自分の馬鹿さに身動きが取れなくなる時もあった。
こんなんじゃ仕事で前に出ようとするにも誰かを踏みつける。
いや、組織の中にいれば強引さ無く上には上れない。
「組織には居れないな」そう思いました。
「思い通り好き勝手に生きてきたので後悔はない」
そう言うのは容易い話ですし、言う人は結構多いです。
しかしそれは間違いでしょうね。
その陰で必ず誰かを苦しめて来てるはずです。
たとえ自分では気付かないにしてもね。
そのｵﾄｼﾏｴもなく「後悔は無い」はないでしょう。
痛みと向き合わず、蓋をしたまま無視して生涯を終える人。
時に引きずり出し、その「過去」へ向けて心で黙祷できる人。
世の「上層部」には前者が多いような気がします。
ですが「まともな話ができる」のは、後者の人間でしょうね。
人はいつも「自分の罪」を忘却すべきではないと、そう思います。
罪を犯さぬ人間はいない。
生きていること自体が罪だからですよ。
誰かが貯蓄すれば、誰かが消費しなきゃいけない。
誰かが笑えば、誰かが泣かなきゃいけない。
誰かが食うために、植物であれ動物であれ「命を奪う」
何処かで飽食すれば、どこかで餓死者の山。
つまり誰かが幸せになるには、誰かが不幸にならなきゃいけないって事です。その「真実」を理解したうえで偽善者さん達は物事を謳うべきでしょう。
しかし「恋をした」こと自体を誤りだとは思いません。
たとえ「あやまち」であったにしても、誤りではなかった。
傷む思い出であろうが、否定はしない。
幼稚であろうが真剣に相手を想った。
久々に深夜まで飲み、直帰する気になれず立ち寄った銀座の端のbar。
（ですんでこの記事の文章も少しおかしいかもしれません）
空けたグラスに映るのは、胸に去来する「痛み」のような気がします。
とうの昔に縁が切れようとも、相手に忘れられていようとも。
たとえ憎まれていたとしても。
おいらは昔と変わることなく愛し続けるでしょう。
過ぎ去った人々を。
その事がたとえ痛みを伴うにしても、苦くてもです。
それが男の務めって奴です
お疲れさまです
(何かを諦めた落ち着き)
この言葉の意味を考えています 板前の大先輩でもあり 世代が違うとはいえ 生意気ですが共感できるものが 魚山人さんにはあります。
自分は三十路で所帯を持ちましたが 過去に自分にとっては人には言えないような複雑な色恋も経験しました
酒呑んで 当時のころ聞いていた歌なんか耳に入ると思い出しますその頃の自分の生き方や気持ちも感じる 今の自分と当時の自分が重なる そんなとき無くしたものもあるけど得たものもある それが分かると 今は幸せだなとか あそこで犠牲にしたものが 今はちがう形で手のなかにある 世の中好からぬことばかりだけど 悲観はないです
二週間の病院生活でしたが なじみのお客さんが何人か来てくれました 板前って生業をこの二週間腰を据えて考えましたが 俺は人様に生かされてるし包丁もてるのは食べてくれる人がいるからだと改めて思いました
自分が必要とされるなら 雑音なんかｶﾞﾘｶﾞﾘ食い散らかして その人の瞳を見続ける
けどそれだけでは何かが足りないのかもしれません けどまだなにかを悟れるほどの人間ではありませんからまだまだ精進あるのみです
ぬるま湯につかる豚どもを毛嫌いしていた二十歳のころ ただ闇雲につっぱしるしかなかった自分 自我を通せば誰かがどこかで犠牲になる 苦い思いでもたくさんあります これからもっと苦味を味わうかもしれません どんな苦味かわかりませんが ベトベト甘いもんよか 自分には良い(^-^)そんなこと思いながらシャバにでます(笑)
Posted by たいら at 2010年04月17日 10:09
“おんな”の側からは、やはりとふーんそうなのかと。これだから“おとこ”ってとなるのでしょうか。
女性のシチュエーションの方も気になりますね。そちらの方は千差万別だと思うのですよ。
Posted by ぶんぶんこ at 2010年04月17日 18:03
たいらさん、退院おめでとう御座います。
二週間も休んだんだから、気合いを入れて頑張らなきゃいけませんよ(^_^)
どうも酒が過ぎたようです。
この記事は恥ずかしくてもう読む気がしません（笑）
「酔っ払いのタワゴト」。酒が弱くなったもんです。
せっかくコメを頂戴したが、記事そのものが変。
例によってそのうち消えるかも知れません。
Posted by 魚山人 at 2010年04月17日 23:57
ぶんぶんこさん。
まさに仰る通り。
この記事には女性からの視点がありません。
まさしく「男のエゴ」でしょうな、こりゃ。
しかしブログの1ページにて、「全て」を表現するのは不可能。
現実の（今の）おいらは、ここに書かれている人物と乖離しております。
「ある側面を切り取ったにすぎない」、そうご理解下さい。
Posted by 魚山人 at 2010年04月17日 23:58
お疲れ様です｡爺
酔って書いたんけ?この記事｡それにしちゃぁまともじゃん（笑）
たまに やらかすよな爺ゎ｡んでまた すぐ消すんでしょ?
意外だったのゎ爺が『ﾀｺをﾚｯﾄﾞにぶち込んだまま…』どんだけｲﾁﾞｯてたんよ?車｡
『観覧車…』のくだりゎ読んでるほうが赤面するくれぇだゎ(#^.^#) 男なら人生一度ゎやらかす『若さ故』だね（笑）
先日 叔父の見舞いに日暮里まで行って来た。
今までゎ新横浜から新幹線使って山手線てな交通手段だったが よくよく考えたら車が１番速いことに気付き 尚且つｶﾞｷら連れてくこと考えたら安いってんで
首都高利用!
三ッ沢から入谷まで30分で行けるのね…新幹線経由よか速い。
あのね｡爺…
爺が いかに自戒の念を記した所で 爺の『攻め』ｯﾂｶ『ﾄﾞS』ｯﾂｶなんつｰか…姿勢ｯﾂｰの?雰囲気みたいなﾓﾝゎ変わりませんから（笑）ﾂｶそれがｲｲんじゃん｡
男なんて みｰんなﾂｷﾞﾊｷﾞだらけでﾁｬﾗﾝﾎﾟﾗﾝ｡
金持ちも貧乏人も 政治家も右翼も 板前も経営者も!
俺…女に生まれてたら多分爺blogにｺﾒしてﾈｪな
たいらｻﾝ!退院おめでとう!ｼｬﾊﾞ←ﾔｸｻﾞか?ｱﾅﾀ（笑）
安心いたしました。
ｵﾔｽﾐﾅｻｲ爺｡なんかｲｲよ 今日の記事ゎ
ただ柳ｼﾞｮｰｼﾞゎ無理 俺｡
（笑）
Posted by 鯔次郎† at 2010年04月18日 02:00
お疲れさま、鯔さん。
おいらはね、寒くなると深夜徘徊したくなんの（酒が旨くなるからか 笑）
暑くなったり冬に戻ったり変な天気だねどうも、これじゃ体の弱い人は大変だろう。
＞柳ｼﾞｮｰｼﾞゎ無理 俺｡
hip hopが耳に馴染んだ世代にゃ確かに「ユルすぎて」聞いてらんないかもね。
同根なんだけどね本当は。R&Bの横浜は何処に消えたのか・・・
電車網が入り混みすぎて車の方が早いってのはよくあるんですよ。
（↑電車乗らんｸｾに 笑）
横浜横須賀方面行くなら京急より断然車だしね。
車ねぇ・・
ｺﾝﾋﾟｭｰﾀの固まりみたいになってから興味が無くなった。
外見も個性が無くなり、全メーカー同じもんに見えるし。
ただサスがフワフワの車には今だに絶対乗りたくない（笑）
Posted by 魚山人 at 2010年04月18日 06:58
爺ｺﾞﾒﾝﾅｻｲm(__)m
ｺﾒ被して｡
あのね
柳ｼﾞｮｰｼﾞが無理なのゎ 俺にゎまだ早いと思うからなんですよ｡
HipHopなんてもんのほうが受け入れらんﾈｪの!俺
先日記事の『拓郎』と同じでさ 歌詞ってﾔﾂぁ聞く側の容量によって異なる解釈になんじゃんか
だから無理なの!まだ若造だから俺（笑）
でも俺､こう見えて(見したことﾈｪが)音楽にゎちょいと ｳｯｾｪ←(爺風)のよ（笑）
学生時代ゎ『ﾁｬｯｸﾏﾝｼﾞｮｰﾈやﾒｲﾅｰﾄﾞﾌｧｰｶﾞｿﾝ』に憧れてね､国内なら『ｽﾍﾟｸﾄﾗﾑやｶｼｵﾍﾟｱ』に憧れ…
好きなｼﾞｬﾝﾙゎ?と聞かれりゃﾗﾃﾝﾌｭｰｼﾞｮﾝに明太ROCKと答える輩（笑）
鮎川ｻﾝにA.R.BにMODS｡
車に関しちゃ同じ想いです
今日偶然にも俺の前を2TGのｽﾌﾟﾘﾝﾀｰが…亡き親父が最初に乗った車｡
親方が最初に乗ったのが
510ﾌﾞﾙ。んで俺の最初の愛車が．13Bﾛｰﾀﾘｰのｺｽﾓ。
それから比べりゃ個性なんてのゎ主張ばっかしで 全く本来の個性を意味するｵﾘｼﾞﾅﾘﾃｨゎ無視どころか…
お疲れ様でした。４月ゎ我が店始まって以来の最低売上記録を更新しそうだよ｡
ﾌﾜﾌﾜのｻｽ。
乗れっかｯﾂｰの!んな糞車｡
ﾛｰﾀﾘｰをこよなく愛し
日産の直6にいまだ乗る
鯔の戯言です｡
ｵﾔｽﾐﾅｻｲ夜
Posted by 鯔次郎† at 2010年04月19日 02:38
おつかれ鯔さん。
謝るこたぁありませんよ(^^)
音楽にしろ何にしろ、サイトで自分の価値観を「押し売り」する気はまったくございません。書いている、それを見てくれる人がいらっしゃる、それで充分な事ですよ。
『13Bﾛｰﾀﾘｰのｺｽﾓ』 （笑）
なんともはや・・・目に浮かぶ様だねぇ。
それ以前のバックファイアがパンパンうるさいロータリコスモでよく遊んだ(^_^)
凶暴なV8、吹き上がるDOHC
良き時代だった・・・・
今の若者は車に興味無いのが増えたと言うが、無理もない。
ボンネット開けたら「黒い箱」で、とりつくしまもねぇ。
愛着を感じようもないね、今の車は。
Posted by 魚山人 at 2010年04月19日 23:36
お疲れ様です。 見習いです。
突然の質問ですが魚山人さんは料理人をやっていて、料理で人に負けた事ってありますか？
自分は最近料理で人に負けました。
料理は勝ち負けなんて無いと思っていましたが、世の中にはそういうランキングを付けたがる人もいる。それは今も昔も変わらないのでしょうか？
自分は昔の事はよく知りませんし、今、この時代が当たり前の世代です。
一人前目指して日々頑張っていますが、負けてさすがに落ち込んでいます。
人の上に立つ魚山人さんは料理の勝敗をどのように、お考えになりますか？
もしお時間有りましたら、アドバイスを下さい。
Posted by 見習いです at 2010年04月20日 02:16
勝負事ってのは勝てばしばらくの間は嬉しい。
だが、それだけのことです。
勝利の記憶なんてね、
時間の経過に合わせて古びた過去になります。
これは経験してみないと分からないかも知れません。
ですが残らないのですよ、チンケな勝ち負けなど。
時が過ぎればね。
大事なのは「人生に負けぬこと」
そして板前にとってはね、歳をくっても若い板に「仕事が出来ない人」なんて陰口を言わせないような人間になること。
現役の間は『流れるように仕事をこなせる板前』であり続ける。
人生に負けないとはすなわち自分自身に負けない事です。
こちらの方が大切なんですよ。
Posted by 魚山人 at 2010年04月20日 06:39
おはようございます。
アドバイスありがとございます。勝ったことは過去の記憶ですか。
いい言葉ですね。
今を生きる料理人の言葉ですね。
自分も今から包丁を一から磨き、店を掃除してから先輩達待ちます。毎日が戦いであり、負けても次に勝てるように、そして自分が先輩になった時に目標で有り続けられる料理人でいたいです。
「自分自身」には決して負けません。
朝早くからありがとございます。
Posted by 見習いです at 2010年04月20日 07:34
包丁を一から磨き、店を掃除してから先輩達待ちます・・・
素晴らしい若者がいると感動しました。
この方が独り立ちしたときに店に行ってみたい。６４歳の私が間に合うように頑張ってください。
Posted by ガンバ若者 at 2010年04月23日 09:41
